原題・「The Iron Lady」・2011年・イギリス
監督・フィリダ・ロイド
出演・メリル・ストリープ
●あらすじ
夫は他界、子供たちは独立し、ひとり静かに晩年を送るマーガレット・サッチャー。
夫デニスは、今もまだマーガレットの幻想の中に存在する。自叙伝に旧姓でサインをしてしまったマーガレットは、ふと過去を振り返る。
夫と出会う前、夫との出会い、結婚生活、そして、鉄の女の名で知られた政治家としての人生を・・
●感想・・・観たのは初めて
サッチャー首相に興味あったのと、作品の評価が高かった事もあり観たのですが・・・
ウ~ンというか、伝記映画と喧伝されてましたが、これを伝記とされたら本人や家族はたまったもんじゃないだろうと思うばかり。
案の定、家族はこの作品を「左翼から見たファンタジーのような映画」と述べたそうです。
首相としての栄光と、老いさらばえた孤独な晩年の悲哀を対比させたかったのでしょうが、あまりにも脚色された上にしつこすぎ・・・
毎度毎度幻想(認知症の病状)を絡めて、過去を回想する必要があるのだろうかと思うばかり。
メリル・ストリープの演技は、ケチのつけようがなく、本作でアカデミー主演女優賞を受賞。様々な年代のサッチャー首相を演じ分けるのは名優ならではと思うばかり。
これで、映画そのものの出来が良ければいう事なしだったのですが、自分には合わずでした。
イギリス議会、当時の国内、国際政治などの描写は良く、もう少しこのあたりを深く取り上げて欲しかったかも。
劇中で流れる80年代ミュージックが良かったのは意外な収穫でした。
若き日のマーガレットはアレクサンドラ・ローチが演じております。