「里中満智子/アトンの娘」
・出版社 小学館・全3巻(B6版) 中央公論新社・全3巻(文庫版)
・出版年 1994年
・掲載誌 -
・入手度 普通
・ジャンル 古代エジプト/歴史
・おすすめ度 ★★☆ 古代エジプト史。
第18王朝のエジプト。神をめぐって、様々な欲望と利権が渦巻く国家。十代前半同士で国家の最高位に就いた少年王と少女妃、アンケセナーメンとツタンカーメンの苦悩や喜びの物語。
国家にとって、人間にとっての、本当の神とは何かを、問いかけ続ける二人は一人の大人として成長をし続ける・・・・
古代エジプトを舞台とした作品。
エジプト王家の風習が判りやすく説明されております。
ネフェルティティ(やってきた美しい人)はアメンホテプⅢ世に嫁ぐ。
アメンホテプⅢ世の死後、義理の息子(アメンホテプⅣ世)と再婚。
アメンホテプⅣ世とネフェルティティは3人の娘が生まれる。
本作の主人公は三女のアンク=エス=エン=バ=アトン
物語の大きな軸となっているのが宗教改革。
旧来のアメン神信仰を捨て、アトン神を信じるアメンホテプⅣ世とネフェルティティ。
アンク=エス=エン=バ=アトンは父・アメンホテプⅣ世と結婚し王妃となるが・・・
アメンホテプⅣ世の死後に、トト=アンク=アトンと再婚。
アメン神にちなんだ名称にその名を変える二人。
トト=アンク=アメンの英語読みはツタンカーメン。若き王・ツタンカーメンと妻・アンケセナーメンの物語が描かれます。
ツタンカーメンについて描かれた作品は数あれど、妻・アンケセナーメンや義母・ネフェルティティを描いた作品は少なく、本作は貴重な1作。
お話の軸となる宗教改革は、なかなか理解しにくい部分もありますが、教科書では判らなかった事も判りやすく描かれております。