「的場健/まっすぐ天へ」
出版社 講談社・全1巻(B6版)
・出版年 2004年
・掲載誌 イブニング
・入手度 普通
・ジャンル SF/ファンタジー
・おすすめ度 ★★☆ 第一部完が惜しい。
JASDAに勤務する飛騨翔一(兄)は、日本の宇宙開発の行き詰まりと増えづづけるデブリ対策に頭を悩ませていた。
翔一の弟・建二の勤める建設会社で超硬度の新素材を開発される。その素材を使い軌道エレベータの建設を思いついた健二は兄・翔一に相談するが・・・
協力・金子隆一。巻末には金子隆一による軌道エレベーター最前線も付記されております。
幼き頃の夢を叶える為にJASDAに入社した飛騨翔一。
ある日建設会社に勤める弟・建二からある提案をされる・それは下から建てる建物ではなく上から吊るす軌道エレベーターについてだった。
軌道エレベターに関して細かく描かれます。
かつてはSFのネタだった軌道エレベーターも建築
技術的な事柄が少しつずつ解決されるが・・・
メインの軌道エレベーターだけでなく、現実の宇宙問題についても描かれております。
日本の宇宙開発事業の先細りについて
ロケット打ち上げによる環境破壊問題
スペースデブリ問題なども描かれます。
一時話題になった軌道エレベーターが描かれる宇宙漫画。
万人ウケする内容ではありませんが、「小山宙哉/宇宙兄弟」が好きな人におススメでSF度は高くなく、現時点での延長上の技術の範囲内で描かれる宇宙漫画。
残念な事に、この作品時代が早すぎたのか第一部完で終了してしまいました。
一巻のみの作品ですが、この作品を取り上げている人は多く、誰かに薦めたくなる作品で、短いながらも様々な要素がギュッと詰まっておりおススメです。
著者・的場健の作品は代表作の「サイコドクター」以来久々だったのですが、黒めの誌面(独特なベタ塗)は宇宙漫画に合うなあと思うばかり。
寡作だけど良作品が多い著者の作品は今後も取り上げていきたいと思います。