「かわのそういちろう/信長戦記」
・出版社 リイド社・全6巻 コンビニコミック有
・出版年 2009年~2012年
・入手度 普通
・ジャンル 戦国時代
・おすすめ度 ★★★☆ 良作だけど非常に惜しい作品。
織田信長vs今川義元。桶狭間の地にて、両雄相まみえる。史上名高き「桶狭間の合戦」は、今川義元の「上洛戦」でもなく、織田信長の「奇襲戦」でもなかった。
数ある信長を描いた作品の中で好きな作品。今回一年ぶりで読み直したのですが、打ち切りが惜しい作品だなあと改めて思うばかりでした。
織田信長、敦盛を舞う。本作の信長像はうつけとして描かれるよりは天才として描かれます。
自分が思う武将像に近く、絵がしっかりとしているのが良いです。
桶狭間の戦い。本作では奇襲ではなく追撃で今川義元を討つ。
本作は信長公記ベースで描かれており、織田信長VS武田信玄の神箆口の合戦が描かれます。
手に汗握る展開が描かれます。地名だけでなく地図を使って状況を俯瞰できるのが非常によく、頭に入り込みやすいのが良いです。
なんとなくで思っていたことが地図で再確認できるのは良いです。ただそれゆえにマニアック過ぎると思われたのかな?
神箆口の合戦を描いた作品は本作だけだったはずで、歴史漫画ファンならば見逃せない作品。
金ヶ崎の退き口 主要な出来事や合戦は地図付なのがほんとありがたい。
連載打ち切りの為途中(姉川の戦い)で終わっており、その前の話からかなり駆け足で話が進みます。終盤のお市の存在(浅井の軍師)というのは好みが別れそう・・・まあ斬新ではあるけど。
作品は非常によく、良く言えば細かいところまで描かれております。が、悪く言えばマニアックで一般読者が読みたいと思う血湧き肉躍るような展開が少なかったかなと思います。
中盤くらいまでの流れのまま最後まで描いてもらえれれば、名作だっただけに残念・・・こういういい作品が打ち切られてしまう時代なんだなあと思うと寂しい限りです。
たらればですが、このまま最後の本能寺の変まで描かれたら、信長漫画の一押しだったなあと思うばかり。信長漫画は決定版となるものがなかっただけに残念。