「はやせ淳・矢島正雄/シャッター」
・出版社 双葉社・全16巻 小池書院・全7巻
・出版年 1985年~1990年
・入手度 普通
・ジャンル ドラマ 政治 経済
・おすすめ度 ★★ 写真週刊誌物語。
事件屋カメラマンは追う。その一瞬に夢を賭けて!マスコミ最前線を行く八木に次々と襲い掛かってくる現代という怪物が産み落とした矛盾。
彼はこの冷たく光るレンズでスクープを狙い続ける!
写真週刊誌編集部を舞台にし、被写体の人間ドラマを描いた作品。この頃の様々な時事ネタと有名人(名前は出てないが絵と事件ですぐわかる)が登場しております。
作中では反社会的とまではいきませんが、権力者に対してへの反抗心が描かれておりますが、このあたりは現実と大きく乖離しており、漫画だなあと思う部分でもありますが・・・
主人公 カメラマン・八木
三浦和義事件、ニューハーフ、カード破産、テレクラ、外国人労働者問題、なだしお事件、伝言ダイヤル、天安門事件など当時の時事ネタが取り上げられております。
この時代を過ごした人でないと時代背景が判りにくいかもですが、バブル期の狂乱の時代が描かれております。
村上とおる、ビートたけし、和田アキ子、宮崎みどり、落合恵子、田代まさし、中森明菜、田中角栄、浜田幸一、竹下登などが登場。
画像の通り名前が出てなくても絵で判るうえに、結構凄い事を書きたい放題書いております。もんだいにならなかったのだろうか?と思うばかり。
時代を感じさせる作品で、今だとデジタルカメラというのもありますが、データを送ることができるので、作中のようにフィルムを急いで現像して・・・なんてものないだろうし、そもそも一般人が携帯で動画を投稿できる時代になるとはこの頃には考え付きもしなかった事でした。
写真週刊誌全盛の頃が判る人は今30代後半以降だと思うのですが、あの頃の写真週刊誌の異常さは、その時代を生きた人にしか判らないと思います。
今も生き残るのはフライデーとフラッシュだけですが、当時はこの他にもフォーカス、エンマ、タッチがあり、過激さで様々な問題を引き起こしていた時代でした。
当時は(ある面今でも)なんでもありな風潮があり、知る権利を声高に叫び、無責任に手段を選ばずにスクープとして報道しており、今では考えられないような写真が写真週刊誌として売られていた時代でした。