「比嘉慂/マブイ」
・出版社 青林工藝舎・全1巻(B6版)
・出版年 2010年
・入手度 容易
・ジャンル 戦争 日本史
・おすすめ度 ★★☆ 比嘉慂未収録作品集。
「沖縄県には日本全国の米軍基地施設の75%が集中する。」沖縄を舞台に物語を紡ぎ続ける比嘉慂が、現代を題材に描いた未収録異色作を一挙収録。基地をめぐる人々の寓話集。
「マブイ」とは沖縄で「魂、霊魂」を意味する言葉。
「マブイ」とは沖縄で「魂、霊魂」を意味する言葉。
「砂の剣」、「カジムヌガタイ-風が語る沖縄戦-」は、太平洋戦争中の沖縄が舞台でしたが、本作に収録されている作品は太平洋戦争後の沖縄が舞台。戦後の爪痕、特に基地問題を中心に描かれております。
「軍用地主」、「黙認耕作地」、「島の駐在さん」、「帰郷」、「軍雇用員」、「ジム・トーマスの旅」、「マブイ」を収録。
「軍用地主」 地主の金に群がる亡者が描かれる・・・
「軍雇用員」 基地で働く人と沖縄が描かれた作品。
「ジム・トーマスの旅」 戦後沖縄で少年野球を教えていたジムが、再び沖縄を訪れ思う事は・・
歴史の時間に習う事がなかった基地問題が描かれております。著者の他の作品に比べると描写が控えめとなっております。ただし、人間の内面を赤裸々に描いており、特に本作では金などに魅入られてしまった人々も描かれております。