「水木しげる/マンガ日本の古典 今昔物語」
・出版社 中央公論社・全2巻(単行本) 全2巻(文庫版) 全1巻(コンビニコミック)
・出版年 1995年
・入手度 普通
・ジャンル 文学 寓話
・おすすめ度 ★★☆ マンガ日本の古典⑧、⑨。
「今ハ昔・・・」で語り出される一千余話を収めた日本最大の説話集。今も昔も変わらない人間の欲望を活写し、芥川龍之介の小説「薮の中」、「鼻」をはじめ、映画、劇画にも多く取り上げられた、面白うて、やがて恐しき物語の数々。
収録されているお話は上巻「入れ代わった魂」、「産女」、「妻の恨み」、「色事師平中」、「霊鬼」、「大江山の悪夢」、「老医師の恋」、「かぶら男」、「赤鼻の僧」、「酒泉郷」、「堂の主」の11編。
下巻は「ねずみ大夫」、「安倍晴明」、「稲荷詣で」、「幻術」、「妻への土産物」、「水の精」、「墓穴」、「引出物」、「外術使い」、「寸白男」、「生霊」、「蛇淫」の12編を収録。
「産女」
度胸試しで産女がいる川を渡る武士は産女と遭遇し赤子を投げ渡されるが・・・
「かぶら男」
とある男がナニがしたくなりカブに穴を掘りスッキリするが、そのカブを村の娘が食べてしまい・・・
この話が一番面白かったし好みなのですが、なんとも大胆なお話。こういう性というよりは下ネタなお話も数多く収録されております。
ただ水木しげるが描くとなんとものほほ~んとしたお話になるのでいやらしさは感じず。
「安倍晴明」
誰もが知る人物も描かれており、陰陽師・安倍晴明が描かれます。
「稲荷詣で」
題材は夫婦喧嘩。自分の妻とは気がつかずにナンパする旦那の運命は・・・
まったくどうでもいい事ですが水木ビンタ大好きです。
考えさせられるお話から笑ってしまうお話。魑魅魍魎な妖怪から下ネタ話。高貴な人々から市井の人々までが描かれる説話集で、水木タッチの絵が非常に合っている作品。
今昔物語はお話としては何編かは知ってはおりましたが、それほど興味を抱かずでしたが、本作を読んだら妙に気になる作品になってしまいました。