「深谷陽・アキ・ラー/密林少年」
・出版社 集英社・全2巻(B6版)
・出版年 2006年~2007年
・入手度 普通
・ジャンル ドキュメンタリー 世界史/歴史
・おすすめ度 ★★★ Jungle Boy。
カンボジア人のアキラは、1983年、10歳でポル・ポト軍の 少年兵士となった。 その後、ポル・ポト軍と対立しているベトナム軍の兵士として、来る日も来る日も 地雷を埋める作業に明け暮れた。彼を翻弄したものは、 一体何だったのか?
読んで何かを必ず思う作品で、カンボジアの内戦(1970年~1993年)を舞台に少年兵として戦わされた(実在の人物)アキ・ラーが描かれます。
10歳で少年兵・アキ・ラーとしてポルポト軍で戦わされる。
その後ベトナム軍の捕虜となり、今度はベトナム軍として戦わされる。本人の意思などはまったく関係なく戦わされる姿が描かれます。少年にとって選択肢は存在せずで生き残る為に戦い、地雷を埋設しつづけます。
くる日もくる日も地雷を埋設する毎日を過ごす。
内戦が終了するが、埋設された地雷はそのまま残っており、UNTACとして地雷の除去作業に加わる。UNTAC撤退後はフリーの地雷掃除人となり地雷を除去していく。
自分が埋めた地雷が誰かを傷つけている。自分が埋めた地雷の事を考える主人公の姿に胸をうたれます。
地雷に怯えずにこの国で暮らしていけるように地雷を除去し続ける。
10年経っても色褪せない作品。深谷陽の絵に好き嫌いはありそうだけど物語の内容にはあった絵柄だと思います。
この当時はこういういい作品だけど商業的には厳しいかな?と思う作品が数多く連載されており、単行本化されておりました。今の時代ではちょっと考えられないですが、こうして世に出た作品があまり陽の目を見ずに埋もれていくのはなんとも残念だなと思うばかりです。