「あだち充/H2」
・出版社 小学館・全34巻(新書版) 全17巻(B6版) 全20巻(文庫版) コンビニコミック有
・出版年 1992年~2000年
・入手度 普通
・ジャンル 野球/スポーツ ラブコメ ドラマ
・おすすめ度 ★★★★ 青春野球漫画。
このまま投げ続ければ3か月でヒジが壊れると医者に言われ、野球を辞めることにした国見比呂。未練を断ち切るため、野球部のない千川高校に入学しサッカー部に入部。
あわて者だが、けっこかわいい春華が現れてわたしは野球の方が好きだけどと言われるが・・・
あだち充作品の中で最も長編作品。リアルタイムでコミックを買い何度も読み直した作品。
国見比呂と古賀春華との出会いにより千川高校野球部が設立される。目指すは甲子園!
千川野球部の主なメンバー。進級するとみんな一緒のクラスになるのはあだち作品のお約束。
もう一人の主人公・橘英雄。比呂の親友であり幼馴染のひかりの彼氏。
比呂(ヒーロー)と英雄(=ヒーロー)で二人のヒーローでH2。もっっとも春華とひかりもイニシャルはHなのでH2だけど関係ないか・・・
比呂と春華
比呂と春華、比呂とひかりの関係が描かれ、揺れ動く心理描写がせつなく儚く描かれます。
遅すぎた成長と思春期だった比呂。完璧すぎる彼(英雄)がいるが、成長した幼馴染比呂に心が揺れ動くひかりを軸に物語が進みます。
直接対決することがなかった比呂と英雄は最後の甲子園でついに対決する事に。対決を前にして英雄はひかりに選択権を与える・・・
勝つのは比呂か英雄か? ひかりはどちらのヒーローを選ぶのか・・・
あだち作品でハッピーエンドで終わらなかった作品は数少ないのですが、本作は・・・これはこれでありだと思うのですがワンパターンな終わり方でなく(ちょっと)衝撃的でした。
親友である英雄との勝負はひかりへを賭けた勝負ではなく、想い続けたひかりへの思いを自ら断ち切る為の勝負だったのかな?と思うのですが、著者にしては珍しく読者の解釈に任せる終わり方となっております。
野球漫画だけどラブコメ漫画として読んでしまうあだち充作品ですが、その中でも最もラブコメ要素が強いのがこのH2で、好きな作品でした。