「池上遼一/スパイダーマン」
・出版社 朝日ソノラマ・全8巻(新書版) 全5巻(B6版)
メディアファクトリー・全5巻(B6版) 全5巻(文庫版)
・出版年 1976年(連載は1970年)
・入手度 普通
・ジャンル ダークヒーロー 戦隊/ヒーロー
・おすすめ度 ★★☆ 池上版スパイダーマン。
小森ユウは、実験の最中、偶然にスパイダーマンの能力を得る。拳で鉄骨をへし折り、壁に張り付く力を身につけたユウはクモ糸のような物体を発射できるスパイダー液と、コスチュームを作りスパイダーマンとなるが・・・
池上遼一の実質的なデビュー作。タイトル通りスパイダーマンなのですが、あのアメコミの明るいノリではなく暗く陰鬱な空気が漂うダーク・ヒーロー的な池上版スパイダーマン。
主人公・小森ユウ クモに刺されスパイダー能力を得る。
クモの糸となるスパイダー液を開発。
スパイダーマンのコスチュームを作成しスパイダーマンとなる。
スパイダーマン以外にも超能力者が現れ、戦うスパイダーマン。
本来であれば正義のヒーローたるスパイダーマンですが本作では不幸に次ぐ不幸を重ねたり、様々な人々に憎まれるアンチ・ヒーロー的な扱いを受けます。
ユウは戦う意義を見出せず暴走し、苦悩する姿が色濃く描かれます。
話が進めば進むほどスパイダーマンとは違ったお話になり、終盤にはスパイダーマンにすらならなくなった主人公が描かれます。
舞台を日本に置き換えたスパイダーマンですが、単なる翻訳版ではなくかなり独自路線で、読み手を選ぶ作品。