「銭形たいむ/戦国武将呪術バトル」
・出版社 朝日新聞出版・全1巻(A5版)
・出版年 2012年
・入手度 普通
・ジャンル 戦国時代/歴史
・おすすめ度 ★☆ マニア向き。
生死を分かつ合戦場で武将が最後に身を託すのは祈祷と呪術。戦国武将と呪術の関係をドラマティックに漫画化!信長暗殺の裏、川中島の軍師達、毛利vs尼子の調伏合戦等。
一風変わった戦国漫画で、合戦における祈祷と呪術について描かれます。他作品では祈祷と呪術についてあまり触れられておりませんが、実際には合戦前に占ったり、敵武将を呪詛したりというのは行われていたそうです。
本能寺の変は高野山の調伏法によって引き起こされた・・・実際に呪われてはいたのだろうけど、それが調伏法の結果なのかは別問題でちょっとお話に無理があるかも。
上杉謙信の毘沙門天への信仰は有名。武田信玄は不動明王への信仰があり、両者の比較も描かれます。
大国に挟まれた毛利が呪術を使いのし上がっていきます。
山本勘助といえば軍師的なイメージがあり策略を駆使するだけでなく、呪法を使い合戦を占い優位に進める姿が描かれます。
島津VS大友の戦い裏で繰り広げられる呪術者同士の戦いが描かれます。
江戸幕府安定の為に奔走する家康と天海が描かれます。家康が日光に改葬された理由も描かれます。この作品の中では最も説得力があり面白い作品でした。
他の戦国漫画とはかなり毛色の違う作品ですが、これはこれで面白い作品。ただ初心者やちょっと読んで見たい人には向かずで戦国漫画を読みなれた人におススメしたい作品です。