「森川久美/信長 KING OF ZIPANGU」
・出版社 角川書店・全1巻(B6版) 全1巻(文庫版)
・出版年 1992年
・入手度 普通
・ジャンル 戦国時代
・おすすめ度 ★★☆ 少女漫画の信長。
歴史の中を駆け抜けた男・信長。時代を先取りした男・信長。そして、魅惑に満ちた男・信長。
京への上洛後から始まり、本能寺の変での自刃までが描かれる作品。タイトルから見ると信長が主人公のように見えますが、細作(忍びかな?)の三郎の視点で描かれます。
主人公・三郎。十兵衛の幼馴染で、十兵衛に協力することに・・・後に信長に直接仕える。
本作は信長の二面性が良く描かれている作品。
協力する者、服従する者には寛大な庇護者で、子供のような無邪気さを持つ信長。
敵対する者、服従しない者には容赦なく残虐に切り捨てる魔王の信長。
森川久美の絵の光と影がこの信長の二面性にはまり、男性漫画家の信長とはまったく違った信長像を描いております。
歴史の動きも判りやすく作中でフォローされております。
将軍・義昭を奉じての上洛後から始まるためそれ以前がない事と、重要な出来事が数行で終わっているのが、残念ですが短いページ数で良くまとまった作品だと思います。
男性だと絵に馴染がないかもしれませんが、おススメの1作です。なお文庫版には「花の都に捧げる」が追加収録。入手を考えると文庫版がおススメです。