原題・「The Rocker」・2008年・アメリカ
監督・ピーター・カッタネオ
出演・レイン・ウィルソン
●あらすじ
大手レコード会社とのメジャー契約と引き換えに、ロックバンド・ヴェスヴィオスから追い出された哀れなドラマー、フィッシュ。
20年後。今や超ビッグなバンドになったヴェスヴィオスとは真逆に、仕事をクビになりニート同然で姉の家に居候する、負け犬人生まっしぐらのフィッシュ。
ひょんなことから高校生の甥、マットの参加するバンドA.D.D.の新メンバーに!果たしてフィッシュは、かつてつかみ損ねたロックスターの栄光を手にすることができるのか?
●感想・・・観たのは初めて
繋がり重視で監督か出演者どちらかに、興味のある映画を観ているのですが、本作は珍しく繋がりはなし。ちょっと不安でしたが観たら面白いすぎなロックコメディでした。
残念ながら本国では大コケしてしまい、日本ではお約束の劇場未公開・・・
ちょっとネタバレします・・・
この手の音楽物映画、特にバンド物の場合、大概はボーカルかギターが主人公なのがお約束なのですが、本作はなぜかドラマーが主人公。
コメディだからドラマーなのか?と思っていたら・・・映画のアイデアはピート・ベストの生い立ちから得たそうで、なるほどな展開が描かれます。
プロムで演奏するバンドが、ネットで注目されツアーへ、さらに注目され成功していくが、成功と共に様々な問題が発生し・・・バンドとメンバーの成長が描かれ、実際にバンドをやっていたという人は、共感しやすかも。
ネットで火がついてというのが今時かもで、このあたりは笑いどころ満載。
ヴェスヴィオスは当時のLAメタルそのもの。
元ネタはハノイロックス、デフレパード、ポイズン、ラットあたりかな?動画を見ると笑えます。
面白いと思えるのはごく一部の層だと思いますが、近年の一連のロック映画(特にバンドを描いた作品)が好きな人におススメです。
40代以上でLAメタルを聞き、その後もロックを聞き続けてきた人には判る&ハマるネタが、たっぷり盛り込まれております。
●出演陣
ほぼ初めて見た人ばかりで、新鮮でした。
主人公でドラム担当・フィッシュ役レイン・ウィルソン。
ホテルで窓からTVを投げ捨てたり(元ネタは誰だっけ?)、古いイカれたロッカーを好演。
キーボード担当・マット役ジョシュ・ギャッド。フィッシュの甥。
キーボードは太っている人なポジションなのだろうか・・・付け加えると悩んでいるキャラ率高し。
ベース担当・アメリア役エマ・ストーン。
笑わないパンクガール。エマ・ストーンが出演していたから観た人が多いようです。
ボーカル&ギター担当・カーティス役テディ・ガイガー。
↑3人と比べて役が妙にしっくりきていると思いきや、俳優ではなくミュージシャンでした。
本作では劇中歌も担当。ちょっとオルタナ風のポップロックを歌っております。
コメディで割と見かけるクリスティナ・アップルゲイトはカーティスの母親役。