「横山光輝・新田次郎/武田勝頼」
・出版社 講談社・全5巻(B6版) 全3巻(文庫版) コンビニコミック有
・出版年 1988年
・入手度 普通~難
・ジャンル 戦国時代
・おすすめ度 ★★★★ 数少ない武田勝頼が主人公の作品。
余が死んでも三年間は死を秘めておき、その間に勝頼は武田の棟梁としての地位を確定せよ。武田信玄の死後、武田家は分裂の危機に瀕していた。正式な跡目を継いでいない形ばかりの後継者・武田勝頼は、志半ばに逝った父の遺志を継ぐべく、奮戦する。
前作「武田信玄」の続編で、信玄の死後から天目山での自刃までが描かれます。長篠の戦いが物語のクライマックスですが、その以降の国が亡びる描写が秀逸で、甲斐・武田が滅んでいく姿が描かれております。
偉大なる父・信玄の後を継ぐが、国内外ともに数多くの問題を抱えていた。
連戦連勝で向かうところ敵なしで、父・信玄が落とせなかった、高天神城を落城させる。
長篠の戦いが細かく描かれております。
天目山で甲斐・武田滅亡は滅亡する。
武田勝頼と聞くと偉大なる父親を超えられなかった、不肖な息子的な描かれ方がされがちですが、本作では、武田家の中でどうすることもできない悲劇の将・武田勝頼が描かれます。悲壮感が漂い、懊悩する勝頼の姿は他の作品で描かれる事がないです。
前作「武田信玄」や著者の「織田信長」、「徳川家康」を合わせて読むとより楽しめる作品となっております。