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柳沢きみお/大市民

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「柳沢きみお/大市民

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・出版社 双葉社・全10巻(B6版)
・出版年 1992年~1997年
・入手度 やや難
・ジャンル ドラマ エッセイ
・おすすめ度 ★★★ 第一弾 読み手を選ぶ作品。

悩める男たち、さえない男たちよ!私の元に集まれ!私は小説家山形鐘一郎である。酒は強いし女にモテる。私の仕事場のアパートの隣人たちはみんな悩める奴ばかりだ。2浪中の浪人生、一流大卒で仕事漬けの銀行員、バブル崩壊で没落した中年男。みんなで明るく生きて行こう!

最初のシリーズは主人公・山形、佐竹(元社長・無職)、青木(浪人生→プロボクサー)、和田(銀行員)、真子(温泉宿の一人娘)、美子(女子高生)、おかみさんが登場。

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主人公・山形鐘一郎。仕事場である1DKのアパートが舞台。

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作中には多数のクラッシックカーが登場。著者の好みの英国車が多いのですがイタ車も登場。

車の描写もですが、(3枚目の画像)人物と車の対比がおかしいのはなぜなんだろう。

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元社長で無職の佐竹とはウマが合うのか作中では二人で飲み食いし出かけるシーンも描かれます。オッサン二人で美味しそうに食べる姿がイイです。

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美味しい物を食べた時の表現の美味し~よく出てきます。

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池上タッチなのだけど・・・似てないというか池上タッチっぽいかな。

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様々な怒りが描かれ、ズバッと言い(語り)ます。この時代を過ごした人にしか判らないネタも多く、今読むとそういえばそんな事もあったなあと思う事多いです。

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この作品のなんだかなあと思う部分のひとつに、著者の価値基準が疑問な部分がありで、他人のマナー違反を言う割には飲酒運転の法律違反にはビールは水だから・・・と飲みながら運転。

この作品で描かれるのは著者の興味がある事(車、食、ボクシング、野球、ギター)と日常生活で思う事(怒りを含む)で、比較的幅広く描かれます。

主人公・山形=著者なので、作中で山形が語る事は著者の意見。(この最初のシリーズではそれほどではありませんが)偏見や怒りが描かれるのですが、著者がそう思う=みんながそう思う事ではないのは当然なのですが、意見に固執し繰り返し語られたりします。

柳沢きみお作品の中でもっとも評価しずらいのがこの大市民シリーズ。シリーズ(というよりは年限の経過)で作風と怒りのボルテージが変化していきます。

この時代を過ごした人でないと何事か判らない事が多く30代以降でないと判らないネタが多い。またこういう意見もあるなと受け入れられる心の広い人にしか向かずで、的を得た意見がある一方で、それは違うんじゃないのか?というの事も描かれております。
最初のシリーズは、後のシリーズに比べるとマイルドで読みやすくおススメです。

たぶんだと思うのですが未収録のお話があるようで、作中で佐竹が人妻と駆け落ちしたお話が、あったようなのですが収録されておらず。
またコンビニ本に見た事のないコマがあったというネタも見つけたのですが具体的には判らず。

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